日本では絹は神様からいただいた布とされ、儀式の衣裳にふさわしい。秋山章のうちかけには、駒塩瀬羽二重という最高級の白生地が用いられる。
青花と呼ばれる露草の花を搾った汁で、下絵の図柄を線描きする。図柄の勢いを生かすことが大切。
青花で描いた下絵の線に糊を置いていく。指先で線の太さを調節する、熟練の技が必要とされる。
図柄に色をのせていく。ぼかし染めなど刷毛使いが重要で、友禅の工程の中でも花形といえる作業。
金箔は金粉をのせて接着。その豪華さと格式、気品は秋山作品ならでは。ときに、この作業に1年を費やすことも。
柔らかな絹の生地に螺鈿を張り込む技法は独自のもの。職人の高度な技術が光る作業でもある。
制作の途中で生じた汚れやシミなどを落とす。さまざまな道具や薬品を使い分け、完璧に仕上げる職人芸。