Yuzen Masterpiece

AKIRA AKIYAMA

日本の花嫁着物の中でも、本手描き友禅打掛の最高峰。秋山 章作 品。花嫁着物に伝統的技法の本漆 ・本金彩、金箔に螺鈿をまとわせる特別な技法で、下絵から完成 まで約 3 年の月日をかけた芸術作品とも言われる作家 秋山 章の作品紹介サイトです。

Yuzen Masterpiece

世界最高峰の衣装。秋山章作品の魅力。

世界に数ある婚礼儀式衣裳の中でも、日本の着物「友禅」は最高峰の芸術品といえます。その中でも、結婚式の時にのみ纏うことができる民族衣裳に特別な技法を取り入れ、贅を尽くし、優れた美意識と文化に育まれ、今日まで受け継がれてきました 。打掛(うちかけ)が仕上がるまでには、多くの工程を繰り返し下絵から完成まで800日( 約3年 ) 緊張と精進を重ねた職人の技が込められています。洗練された吉祥柄と祝色との出逢いにより一服の絵となり日本の花嫁を最も美しく包み込みます。

AKIYAMA AKIRA

秋山章

本手描き友禅作家:秋山 章(あきやま あきら) プロフィール

日本を代表する本手描き友禅作家。1931年(昭和6年)、山梨県生まれ。京都にて染色工芸の真髄を学び、1954年(昭和29年)に婚礼衣裳メーカー「株式会社丸章」を創業。以来、半世紀以上にわたり、日本の伝統美の象徴である「花嫁衣裳」の制作に情熱を注ぎ続けてきました。

秋山氏の作品は単なる衣裳の枠を超え、芸術品(アート)としての高い評価を確立しています。2019年には「やかげ郷土美術館(岡山県)」にて特別展覧会が開催され、その緻密な職人技と美意識が広く世に示されました。また、2020年の「KIMONOプロジェクト」では祈りと平和の願いを込めて振袖制作を担当。その工程はNHKワールドによって世界へ発信され、国内外に大きな感動を与えました。

長年、日本伝統儀式衣裳友禅保存協会の常任理事や、日本の結婚式を守る会の専務理事など、数多くの公職を歴任。職人の技を絶やさぬよう、伝統文化の継承と花嫁文化の発展に邁進してきましたが、2021年(令和3年)、90歳を節目に惜しまれつつ作家活動を引退。現在はすべての公職を退任していますが、その作品と精神は日本の伝統工芸界の至宝として受け継がれています。

主な公職・称号

  • 日本伝統儀式衣裳友禅保存協会 常任理事
  • 日本染織工芸研究会 常任理事
  • 日本の結婚式を守る会 専務理事
  • 一般社団法人 日本の美しい花嫁をつくる会 代表理事
  • 大吼塾 塾頭(塾長)
  • 株式会社 友禅丸章 代表取締役

主な年表

1931年 山梨県に生まれる。その後、京都で染色工芸を学ぶ。
1954年 株式会社丸章を創業。婚礼衣裳の制作を本格始動。
1993年 ドイツ・デュッセルドルフ「Japan week」にて花嫁衣裳のデモンストレーションを実施。代表作「天寿芙蓉峰」を同市美術館へ寄贈。
1995年 一般財団法人民族衣裳文化普及協会より「伝統文化賞」を授与。
2019年 やかげ郷土美術館(岡山県)にて、芸術的価値を称える特別展覧会を開催。
2020年 「KIMONOプロジェクト」にてイスラエル担当として振袖を制作。NHKワールドにて密着取材が放映される。
2021年 90歳にて作家活動を引退。同時にすべての公職を退任。
Philosophy

儀式の衣裳と「格」

儀式の衣裳は純白清浄な絹を使用し、吉祥色で「後染め」することで品位ある格を宿す。それが最も格式高い晴れ着です。

Guidelines

儀式の衣装は白生地から染め上げられねばならない。格の約束を守ってお創りすることが婚礼衣裳の本質的な役割であり美しさです。

後染めが最上格 純白から色を宿す 儀式の約束を守る
Kamo Blessing

本手描き友禅の花嫁着物(白無垢・色打掛)は秋山 章が編みだした伝統技法が施された芸術作品です。時代と共に職人の技、技法が受継がれて行くことが叶わなくなっていくなか、守り育てた唯一の着物です。

上賀茂神社 お祓い 承認印入り 秋山章のみ特別許可

友禅 制作工程の流れ

伝統の技が織りなす、25のステップ

1
発想(はっそう) 企画
発想の原点は、花嫁着物作りに65年を捧げてきた作家の「祈り」です。数多くの職人の技を熟知した上で、それらを結集させた最高の仕上がりを脳裏に描き出します。技術への深い理解と情熱が、一着の着物に命を吹き込む第一歩となります。
2
構図(こうず)
「祈り」から導き出された発想を、季節の草花や吉祥文様といった伝統的な絵柄として構成します。江戸時代に出版された図案集「ひな型」は、現代のアパレルにおけるデザイン画やパターン集の役割を果たしており、友禅染の歴史においてデザインの標準化と普及を支えた重要な存在です。
3
仕事別(しごとべつ)
作品の特性に合わせた生地の選定、技法の深掘り、そして各工程で最高の手腕を発揮する職人の選別を行います。作家が職人一人ひとりの得意とする表現を熟知しているからこそ可能な、適材適所の采配です。
4
指示書(しじしょ)
着物の設計図にあたる重要な書類です。色、技法、細部の表現に至るまで、各職人への詳細な指示と品質管理のチェックポイントを明記し、作品全体の調和を保つための指針となります。
5
下図(したず)
縮小された「ひな型」を基に、実物大の用紙へと筆で緻密に描き上げるのが「下図」です。伝統的な様式を重んじつつも、作家・秋山章ならではの独自の感性と現代のトレンドを融合させ、作品に新たな息吹を吹き込みます。この瞬間に引かれる一本の線が、最終的な友禅の気品と格調の高さを決定づける、正に命を吹き込む作業といえます。
発想〜下図
構想・準備段階
6
下絵(したえ)
丹念に描かれた「下図」の意匠を、実際の白生地(下絵羽)へと写し取っていきます。用いるのは、露草の花から抽出された「青花汁(あおばなじる)」。水で洗えば跡形もなく消えるという繊細な性質を持つこの青い液を使い、一筆ずつ丁寧に、美しき伝統の輪郭を生地へと定着させていきます。
下絵青花
下絵青花
7
のり糸目(のりいとめ)
青花で描かれた繊細な輪郭線に沿って、筒からゴム糊を細く絞り出していく工程です。これは後の彩色の際に染料が混じり合わないようにするための「防波堤」の役割を果たします。この「糸目(いとめ)」の太さを均一に保つ技術が、後に友禅特有の凛とした白い輪郭線となって現れるため、極めて熟練した手技が求められます。
のり糸目
のり糸目
8
青花散らし(あおばなちらし)
ゴム糊によってデザインの輪郭が固定された後、一度真水で生地を洗い、下書きとして使われた青い線をきれいに落とします。こうして役割を終えた青花が消えることで、純白の生地の上には、糊の線だけで構成されたデザインの骨格が鮮やかに浮かび上がります。
青花散らし
青花散らし
9
のり伏せ(のりふせ)
後の工程で地色を染める際、模様部分に色が入り込まないよう、文様全体をさらに糊で厚く覆い隠す作業です。地染めとの境界を美しく保つための極めて緻密な手仕事であり、一分の隙も許さない高い集中力によって、職人は模様の純潔を守り抜きます。
のり伏せ
のり伏せ
10
引き染(ひきぞめ)
模様以外の背景となる「地」の部分を、大きな刷毛を使って一気に染め上げる豪快かつ繊細な工程です。ムラなく均一に、それでいて深みのある色彩を実現するため、職人はその日の気温や湿度までも計算に入れ、長年の経験に基づいた熟練の勘で生地を染め抜いていきます。
引き染
引き染
11
むし水元(むしみずもと)
引き染めを終えた生地を高温の蒸気で蒸し上げることで、染料を繊維の奥深くまで定着させます。その後、清らかな水で生地を洗う「水元(みずもと)」を行い、余分な染料や「のり伏せ」の糊を丁寧に洗い流します。この「友禅流し」として知られる工程を経て、鮮やかな地色の中に真っ白な模様が浮かび上がります。
12
友禅地入(ゆうぜんじいれ)
模様部分へ色を挿すための下準備を行います。豆汁(ごじる:大豆の絞り汁)などの液体を生地全体に引く「地入れ(じいれ)」を施すことで、布の目を整え、後の彩色で色が滲んだりムラになったりするのを防ぎます。作家が理想とする繊細な色彩表現を実現するために欠かせない、生地のコンディションを整える大切な工程です。
蒸し水元・友禅地入れ
蒸し水元・友禅地入れ
13
色合せ(いろあわせ)
一つの作品に対し、50色から100色にも及ぶ膨大な色を創り出します。秋山章の「祈り」と「独自のセンス」が最も色濃く反映される瞬間であり、伝統的な和の色味に現代的なトレンドのニュアンスを加え、世界にたった一つの色彩を調合します。この「色合わせ」の精度こそが、作品の品格と完成度を左右する生命線となります。
重要
14
挿し友禅(さしゆうぜん)
いよいよ、模様の一つひとつに筆や刷毛を使って色を置いていく「挿し(さし)」の工程に入ります。隣り合う色が混ざり合わないよう、糸目の内側へ細心の注意を払って色を置いていきます。職人の確かな手技によって、白抜きの模様に命が吹き込まれ、立体感あふれる華やかな世界が広がっていきます。
15
うたしローケツ
必要に応じて施される、独自の風合いを生む特殊な技法です。溶かした「蝋(ろう)」を筆に含ませ、生地に振り飛ばすように散らす(うたす)ことで、雪が舞うような「吹雪(ふぶき)」模様などを表現します。蝋を置いた場所だけが染まらずに残る性質を利用し、手描き友禅にさらなる奥行きと幻想的な表情を加えます。
色合わせ挿し友禅
色合わせ・挿し友禅
16
むし水洗水元(むしみずあらいみずもと)
彩色された模様の染料を定着させるため、再び高温の蒸気で蒸し上げます。その後、清らかな水でゴム糊の糸目や余分な染料を完全に洗い流します。この工程を経て、染め上がったばかりの鮮やかな色彩が初めてその真の輝きを現します。
17
上のし(うわのし)
水洗いの工程で、わずかに縮んだり歪んだりした生地の幅や丈を、蒸気を使って一定に整える作業です。「のし」とはシワを伸ばし整えることを指し、後の金彩や刺繍を正確に施すための平らで美しい土台を作り上げます。
蒸し水洗・上のし
蒸し水洗・上のし
18
金彩(きんさい)縁蓋切り
秋山章の真骨頂ともいえる、友禅に金銀の輝きを添える大切な工程です。模様ごとに異なる金箔やぼかしなどの加工を施すために、あらかじめ生地の上に貼った特殊なテープを、柄の輪郭に沿って小刀で丁寧に切り抜く作業「縁蓋切り」を行います。
金彩箔加工 縁蓋切り
金彩箔加工 縁蓋切り
19
金彩(きんさい)仕分け切り分け
次に友禅に金銀の輝きを添える工程です。単に箔を貼るのではなく、漆(うるし)を用いたり、砂子(すなご:金の粉)、螺鈿(らでん:貝の装飾)といった多岐にわたる伝統技法を駆使します。繊細な柄ほど漆、箔張り螺鈿、砂子、切箔、野毛(のげ)、小紋箔等の技法を繰り返します。
金彩箔加工 仕分け切り分け
金彩箔加工 仕分け切り分け
20
金彩(きんさい)仕上げ
緻密な下準備を経て施された加飾は、平面的な生地に圧倒的な奥行きと立体感、そして花嫁にふさわしい格調の高さを与えます。金彩工程を終えた仕上げ品。
金彩箔加工の仕上げ品
金彩箔加工の仕上げ品
21
刺しゅう
金彩に続き、模様の一部に絹糸による刺繍を施します。太い金糸を細い糸で留めていく「駒縫い(こまぬい)」などの技法を使い、染めや金彩だけでは表現できない質感と豪華さを追求します。60年の経験が導き出す、針一針への「祈り」が込められた立体造形です。
22
仕上げ(しあげ)
作品全体を厳格に点検し、わずかな色ムラや汚れも許さず整色する地直し(じなおし)をします。作家・秋山章の誇りと責任、そして職人たちの情熱が一点の曇りもなく結実しているかを確認する、極めて重要な最終チェック工程です。花のしべ、あるいは鳥や人物の表情など、細部にわたる最終的な描き込みを行います。さらに「盛金箔(もりきんぱく)」などの高度な加飾を重ねることで、生地は単なる「染め物」から、魂の宿った一枚の「絵画」へと完成します。
絵画完成
23
上絵羽(うええば)・裏地合わせ(うらじあわせ)
着物の形に仮縫いし、模様が縫い目をまたいで完璧に繋がっているかを確認する作業です。「絵羽(えば)」とは、広げた時に一枚の絵のように見える贅沢な仕立て様式のことを指します。全体のバランスを見極め、花嫁が纏った際の美しさを追求します。裏地合わせは表地の友禅の色彩と格調に最も調和する裏地を選別します。見えない部分にまで美意識を徹底させ、最高級の絹が持つ肌触りと、表地を引き立てる色の重なりを吟味します。
仕上げ
仕上げ・完成
24
裁ち(たち)
花嫁着物の寸法に合わせて、表地、裏地、および付属品を正確に裁断します。一寸の狂いも許されない緊張感の中、これまでの膨大な工程の結晶である生地にハサミを入れ、製品としての形を与えていきます。
25
本仕立(ほんじたて)
最終工程として、熟練の和裁士がすべての模様を完璧に合わせながら一針ずつ手縫いで縫い上げます。65年にわたり花嫁を見守り続けてきた作家の「祈り」と、数多の職人の技術が一つに溶け合い、900日の時間を経て、世界にただ一着の婚礼衣装がここに誕生します。
製品完成
仕立て工程
仕立て工程
Collection Line

御祓乃無垢(おはらいむく) とは

御祓乃無垢と銘された花嫁着物は、制作中は京都のアトリエから秋山本人が毎朝参拝に通う神社でありご縁が深い神社。賀茂別雷神社(上賀茂神社)で、花嫁の幸せを祈りお祓いを受けた作品です。同神社の承認が施されてます。

Key Idea

祓いの白

儀式前の浄めを意匠化し、静謐な白から色を立ち上げる。

Technique

漆 × 金彩

神前の光を思わせる艶と煌めきで荘厳さを演出。

Mood

Sacred Minimal

余白と陰影で神聖さを際立たせるミニマル表現。

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